イケメン医師は、私を骨から溺愛する
 魚から始まり、両生類、爬虫類、哺乳動物、人間、と展示が進んでいく。爬虫類のコーナーには恐竜の化石もあったし、哺乳動物コーナーではナウマンゾウやら原始人やらの骨も展示されていた。

 染色された骨は最初だけだったけど、骨の役割や珍しい骨などがあり、展示も工夫されていた。イカやタコも展示されていたけど、軟体動物だから骨はないなどの説明があった。

 フランスのカタコンベの再現展示には、彼は興奮を隠せないようだった。

 頭蓋骨と大腿骨の復元模型で作られた実寸大のオブジェは、ひとつだけの展示でもかなり迫力がある。こんなの現地で現物を見たら泣いちゃう自信ある。

「俺、卒業旅行で行ったんだよね。すごかったよ、周り中が骸骨で」

 骨好きの真骨頂、出た!

「現地でもそうやってはしゃいんだんですか?」
「よくわかるね。友達にはドン引きされた」

 はは、と彼はおでこに手を当てる。
 その横を、子供が泣きながら母親に抱きかかえられて通り過ぎる。
 ……まあそうなるよね。

 最後には大きなくじらの骨が空中に展示されていて、ほわあ、と見上げる。

 これは常設展示らしくて、骨の下にはくじらのシルエットが描かれている。ライトでできた影がシルエットと合体し、大きさを体感できるのがいい。先ほど泣いていた小さな子供は、今は嬉しそうに影を踏み、堪能している。

「これは体長十四メートルのマッコウクジラだって。後頭骨だけで三百キロ以上あるそうだよ」
「そんなに?」

 後頭骨がどの部分かはわからないけど、三百キロはすごい。

「くじらの標本を作るにはいくつか方法があるんだけどね。砂浜に埋めたり、鍋で煮たりするんだよ」
「煮るの?」
 おいしいスープができたりするのかな?
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