イケメン医師は、私を骨から溺愛する
「骨に興味のある人がこんなにいるんですね。これからは自信を持って骨が好きって」
「言わないほうがいいですよ」

 私はついかぶせて言ってしまい、彼は悲しそうに遠い目をした。なんだか申し訳ない。

「好きなものがあるって、いいことだと思いますよ」
「ですよね!」
 彼は気を取り直したように明るく答える。

 入口はポップに骸骨が書かれていた。ようこそ、なんて吹き出しがついて目の奥がきらきらしている。子供が怖がらないようにしているのだろうか。

 ふと隣の忽那さんを見ると、彼の目も期待にきらきらしている。

 最初に魚の骨が展示されていたのだが。

「きれい!」
 私は思わず声を上げた。

 魚の骨が、赤や紫、青に染色されている。薄暗い照明の中、標本の背景が黒いので、なんだかサイバーパンクっぽいというか、ゲーミングっぽいというか。魔法使いの部屋に置いてありそうで、幻想的でもある。

「いいよね。俺、写真集持ってるし、実際に作ったことある」
「作れるんだ?」

「そういうキットも売ってるよ」
「へええ」

 世の中、不思議な趣味を持つ人がけっこういるらしい。

「作り方はね」
「聞きたくないです」

 シャットアウトすると、彼はがーんとショックを受けた顔をするから、笑いそうになる。

「次行きましょう」
 促すと、彼を気を取り直して一緒に歩き出した。
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