イケメン医師は、私を骨から溺愛する
「私もこの企画展に興味があってえ」
 琴香さんはしなを作るのも美しい。

「そうですか」
 彼はくじらの骨に目を向ける。

「展示はここで終わりですよね。このあとお茶でもいかがかしら」
 妖艶な笑みを浮かべて、琴香さんが言う。

「俺は彼女と来てるんで」
 不快さを隠しもせずに、彼は言う。

「骨折り損のくたびれもうけだねえ」
 つい言ってしまい、琴香さんの目が吊り上がる。

「さっきからなんなの、もう! 骨骨うるさい!」

 あれ、会話を聞かれてたのかな。

「骨を見に来てるわけだし……骨までしゃぶる勢いで楽しまないと損ですし」

 ちょっと強引だな。意味がずれてる気がする。もっとうまい言い回しはないかな。

「こんなどこの馬の骨かわからない女に彼を渡せないわよ!」
「うまい!」
 私が言うと、琴香さんは唖然とした。

「今の、うまくなかった?」
「いや、なかなか。しかし渚さんを罵倒している点は全く評価できない。加えてこんな場所で騒ぐなんて愚の骨頂。静かにしていただけませんか」

「そうきたか」
 骨、骨……ほかに骨のある言葉は。
 私はぴこんとひらめてい琴香さんに言う。
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