イケメン医師は、私を骨から溺愛する
「骨は拾って上げますから。この際、告白してみては」
「なんでよ!」

「忽那さんのこと、好きなんですよね?」
 私が言うと、彼女の顔が一瞬で真っ赤になった。

 うわ、どうしよう。かわいい。
 ちらりと忽那さんを見ると、彼はまったく無反応だ。

 ……琴香さん、かわいそうに。忽那さんが骨ガチ勢でなければ彼女にも可能性があったかもしれない。

「こんな人、好きなんかじゃないから! 顔がいいからちょっといいなって思っただけなんだから!」
「やっぱり冴島さんは顔にしか興味がなかったんだ」

 忽那さんの顔が渋くなる。
 本心を見抜いてあげられないのか。人が苦手って言ってたし、仕方ないのかな。

「彼女、ちゃんと中身はありますよ。外見だけで医者にはなれないですから。そうとう頑張ったんですよね」

 私が言うと、彼女は耳まで真っ赤になってしまう。
 こんな純真な人って、もう骨董品レベルの貴重品じゃない?

「いつも見た目ばっかりほめられて……絶対にみんなを見返すって、反骨精神でがんばってきたの」

 ちゃんと『骨』を入れてくれてる。本当はいい人なんじゃん?

「だけど、みんな『女医』って言葉にばっかり反応して。誰も『医者』としての私を見てくれなくって、嫌になっちゃったとき、コツコツと働く忽那先生を見て、すごいなって……」

 ただの骨好きを、すごい人だと勘違いしちゃったんだね。なんだか気の毒だ。

 どうやって骨をからめて返そうか。換骨奪胎(かんこつだったい)は関係ないし、屋台骨、骨子(こっし)、骨肉の争い……思い浮かぶもの全部関係ない。っていうか、骨がからむ言葉って、けっこうたくさんあるなあ。
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