イケメン医師は、私を骨から溺愛する
「あなたは医者です。だったら評価ではなく患者を気にするべきです」

 いつになく厳しい口調の忽那さんに、私は驚く。
 骨、使ってないけど。もう骨タイム終わり?

「俺は骨が好きで放射線科医になりましたけど、ちゃんと医者としてのプライドを持って診てますよ。患者さんは病気やけがを治したくて来てるんですからね」
「そんなの私だってわかってるわよ。だから患者さんが普通の生活を取り戻せるようにって、がんばってきたの!」

「だったらそれでいいじゃないですか」
 私が言うと、彼女は潤んだ瞳を私に向けた。

「医者としての心得を骨に刻んでがんばってきたんですよね。私だったら、そういうお医者さんに診てほしいな、って思います」
「……そういうこと言ってもらえるの、正直言って嬉しい」

 彼女はもじもじとうつむく。
 あれ、デレちゃった。かわいいな。

「ごめんなさい。あなたって思ったよりいい人ね。反省して帰るわ」
 急にしおらしくなった琴香さんに、私はちょっと不安になる。

「お医者さんやめちゃったりしないよね?」
「それはないかな。あの病院に骨をうずめる覚悟で勤めてるから。邪魔してごめんね」

 彼女はぺこりと頭を下げて帰っていく。
 その後ろ姿も美しい。

 そういえば、と思って私は忽那さんに聞いてみる。

「ところで、彼女ってなんのお医者さんなんですか」
「形成外科」

 おおっと、外見にかかわるお医者さんだった。外見は忽那さんとは逆方向でコンプレックスなのかもしれない。
< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop