Secret Happiness Kiss/シークレットハピネスキス
「この話はおしまい! 鈴華さん、体調のことは理解した。だからこられる日にお弁当作るって言うのはどうかな? もちろんデリバリーで頼めるから、こられなくても大丈夫! 少しずつ頑張るお手伝いを、僕はしたいんだ」
「俺も手伝いたいなぁ。これも何かの縁だと思うし」
「鈴華さん。僕からも頼むよ」

 頼ることは嫌いだ。申し訳ないし心配もかけてしまう。でもこの人達になら……「私からもお願いします」――気が付いたときには返事をしていた。自分が思ってるほど、この人達に信用している事に気付く。出会ってまだ一時間ぐらいなのに、この選択は間違っていないと思えたから。

「良かった。決まったことだし、アツシにも報告しないと……。マサト頼む!」
「えっ……俺かよ。ハァー……」
 重苦しい表情でマサトはアツシにスピーカーで電話をかける。

「あっ。何? まっちゃん」
「相談なんだけど、今良いか?」

 そのあとは、事の経緯を順々に話す。携帯から時々アツシの呆れ果てた溜息が聞こえる。

「今みんなその場にいるの?」
「あっ……うん。ずっとスピーカーで話してる」

「鈴華さん、先程は失礼したね。これからの事だけど、体調の良いときにまた来てくれるかな? 連絡はマサトを通してくれれば良いから。そういうことでよろしく」
「はい。分かりました」

「でだ……ユキト。リーダー何だから危機管理ぐらいしっかりしてくれ! 鈴華さんが良い人だったから良かったけど、気をつけてくれ。マサトが頼むぐらいだからしっかりしている子何だと思うが、全員ファンとの関係は慎重になってくれよ! 分かったな!!」

 3人は青い顔をしながら小さい声で返事をしたところ、声が小さいと怒鳴り大きな声で再度返事をした。

 アツシは私が思っているよりしっかりしている人だった。本来ファンが親密な関係になるなんて有り得ないこと。そんな当たり前を再度認識したのと、この出会いを大切にしようと胸に誓う。

 この日は、マサトと連絡を交換してから帰宅した。家に着くと先程の事が夢ではないかと思えるほどに、冷静な落ち着きを取り戻す。次にメンバーに再会したのはそれから5日後だった。
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