今から婚約破棄直後の悪役令嬢が通ります。ご注意ください。
 しかも、まったく身に覚えもなく記憶にもないベロニカのソフィアへの虐め行為は多岐に及ぶもので、そんな虐め方もあるのかと罪状を聞きながら感心してしまったほどだ。

 それはさもすべて事実ですと言わんばかりに、エドガルド殿下の隣で怯えていたソフィアの怯えた表情も思い出して、とても腹立たしくなった。絶許。

 ……いえ。この身の潔白が証明されたとしても、私はエドガルド殿下の婚約者に返り咲きたいとは思わないのだけど……あの二人に対しての怒りが、胸がムカムカしてまったく収まらない。

 ただ、このまま城にいても、どうしようもない。

 私は落ち着こうと胸に手を当てて何度か深呼吸をすると、シュターデ公爵邸へ帰ろうと歩き出した。

 邸に戻ったならば、お父様といきなり婚約破棄されたことについて相談する必要があるだろう。

 エドガルド殿下からの婚約破棄は甘んじて受け入れたとしても、貴族令嬢としての名誉は出来るだけ取り戻さなければ。

 そして、折り悪く夜会に参加していた貴族たちが、城の廊下をぞろぞろと移動していたところへ居合わせてしまった。

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