後宮のすみっこには天才薬師がいるらしい ~いないもの扱いだった人質の私、趣味の調薬で国を救って正体がバレました~
『ある所に一組の夫婦がいました。
やがて赤ちゃんが生まれたのですが、かわいそうに、奥さんは赤ちゃんを産んだ後、二人を残して天の国へ行ってしまいました。
旦那さんは、奥さんそっくりな赤ちゃんを見るたびに悲しい気持ちを思い出しては泣いてしまいます。
悲しくて、悲しくて、旦那さんは赤ちゃんを森の魔女に預けてしまいました。
森の魔女は、赤ちゃんを可哀想に思って、家族として大切に育てました。
すくすく育った赤ちゃんは、やがて元気な女の子に成長します。
森の中を駆けまわり、動物と遊び、魔女の知恵を教わりました。
女の子は、大きくなるにつれて、本当のお父さんがどんな人か気になってきました。
魔女は、お母さんの事はたくさん教えてくれましたが、お父さんの事は「あまり知らないの」と困った顔で黙り込むばかりだったからです。
だけど、女の子は、お父さんは自分を見るとお母さんを思い出して悲しい気持ちになってしまうからと、「会いたい」とは言えずに我慢していました。
ところが、女の子が13になった頃、突然、お父さんの使いの人が女の子を迎えに来たのです。
女の子も森の魔女も驚きました。
十数年も音沙汰無かったのに、いまさらどうしたというのでしょう?
だけど、女の子は、お父さんに会ってみたい気持ちが抑えられませんでした。
森の魔女は心配でしたが、女の子に「困った時に使うように」と呪文を教えて送り出すことにしました。
そうして、森を出て連れていかれたのは、まるでお城のように大きなお屋敷でした。
お父さんは、この辺りを治める領主様だったのです。
お父さんは、女の子に言いました。
「この国が戦争に負けてしまったから、おまえは隣の国の王様のお嫁にいくんだ」
女の子は一緒にいるために呼ばれたのではなかったのかとがっかりしましたが、お父さんが悲しい気持ちにならないなら、と頷きました。
そうして、女の子はお姫様のようなきれいなドレスを着せられて、お嫁に行きました。
だけど、お嫁に行ったはずのお姫様は、お城の端っこに押し込められてしまいます。
同じように戦争に負けた国からたくさんのお姫様がお嫁に来ていたから、一番小さかった女の子はお嫁さんになれなかったのです。
我が儘を言っては困らせてしまうかと大人しくしていた女の子を、忙しいお城の人はうっかり忘れてしまいました。
何しろ、本当にたくさんのお嫁さんがやってきて忙しく、女の子の部屋は本当に端っこにあったので、誰の目も止まらなかったのです。
お腹が空いて困ってしまった女の子は、近くの森にでかける事にしました。
森の魔女の知恵を使えば、森はたくさんの恵みを女の子に与えてくれたからです。
小さな女の子は、お城の端っこでひっそりと暮らすことにしました。
やがて大きくなった女の子は、素敵な王子様と出会うのですが、それはまた次のお話にしましょう」
やがて赤ちゃんが生まれたのですが、かわいそうに、奥さんは赤ちゃんを産んだ後、二人を残して天の国へ行ってしまいました。
旦那さんは、奥さんそっくりな赤ちゃんを見るたびに悲しい気持ちを思い出しては泣いてしまいます。
悲しくて、悲しくて、旦那さんは赤ちゃんを森の魔女に預けてしまいました。
森の魔女は、赤ちゃんを可哀想に思って、家族として大切に育てました。
すくすく育った赤ちゃんは、やがて元気な女の子に成長します。
森の中を駆けまわり、動物と遊び、魔女の知恵を教わりました。
女の子は、大きくなるにつれて、本当のお父さんがどんな人か気になってきました。
魔女は、お母さんの事はたくさん教えてくれましたが、お父さんの事は「あまり知らないの」と困った顔で黙り込むばかりだったからです。
だけど、女の子は、お父さんは自分を見るとお母さんを思い出して悲しい気持ちになってしまうからと、「会いたい」とは言えずに我慢していました。
ところが、女の子が13になった頃、突然、お父さんの使いの人が女の子を迎えに来たのです。
女の子も森の魔女も驚きました。
十数年も音沙汰無かったのに、いまさらどうしたというのでしょう?
だけど、女の子は、お父さんに会ってみたい気持ちが抑えられませんでした。
森の魔女は心配でしたが、女の子に「困った時に使うように」と呪文を教えて送り出すことにしました。
そうして、森を出て連れていかれたのは、まるでお城のように大きなお屋敷でした。
お父さんは、この辺りを治める領主様だったのです。
お父さんは、女の子に言いました。
「この国が戦争に負けてしまったから、おまえは隣の国の王様のお嫁にいくんだ」
女の子は一緒にいるために呼ばれたのではなかったのかとがっかりしましたが、お父さんが悲しい気持ちにならないなら、と頷きました。
そうして、女の子はお姫様のようなきれいなドレスを着せられて、お嫁に行きました。
だけど、お嫁に行ったはずのお姫様は、お城の端っこに押し込められてしまいます。
同じように戦争に負けた国からたくさんのお姫様がお嫁に来ていたから、一番小さかった女の子はお嫁さんになれなかったのです。
我が儘を言っては困らせてしまうかと大人しくしていた女の子を、忙しいお城の人はうっかり忘れてしまいました。
何しろ、本当にたくさんのお嫁さんがやってきて忙しく、女の子の部屋は本当に端っこにあったので、誰の目も止まらなかったのです。
お腹が空いて困ってしまった女の子は、近くの森にでかける事にしました。
森の魔女の知恵を使えば、森はたくさんの恵みを女の子に与えてくれたからです。
小さな女の子は、お城の端っこでひっそりと暮らすことにしました。
やがて大きくなった女の子は、素敵な王子様と出会うのですが、それはまた次のお話にしましょう」