後宮のすみっこには天才薬師がいるらしい ~いないもの扱いだった人質の私、趣味の調薬で国を救って正体がバレました~
「それにしてもうまくいきすぎね。どういう風に誘導したのか興味はあるけれど、聞かない方がいいのでしょうね」
「そうですね。ただ、誰も傷つける事は無かったとだけは言っておきます」
大切な家族の名誉の為にそれだけは、と口にしたレイラに王妃は分かってるというように頷いた。
「それで、連絡の手段があったなら、なぜ今更なの?」
「この国に来たこと自体は納得済みのことでした。それに、正直この国に着いてからの後も、ある意味予想範囲内だったので、連絡を取る必要性を感じなかったのです。それより………」
尤もな疑問にレイラは、自分の考えを語った。
戦争を起こした王侯貴族はどうでもいいが、その下で犠牲になり今も苦しんでいるであろう人たちを少しでもどうにかできないかと考えたこと。
それには、国の柵にとらわれないババ様たちに助けてもらえたら、早道なのではないかと結論付けたこと。
「戦争が起こったとして、この国が負けるとは思っていません。だけど、勝ったとしても無傷とはいかないのではないでしょうか?少しでも早く終わらせた方が傷は浅いでしょうし、危険も少なくなります」
「それで、どうして敵国の民へ支援しようという結論になったの?」
「飢饉が起こり、飢えから逃れるために戦争に参加する人たちがいるそうです。
戦に勝てばこの飢えから逃れられるという上からの言葉を信じて、戦争に賛成しているとも。
だから、言い方は悪いけど目先の欲を満たしてしまえば、少しは冷静になるんじゃないかな、と思ったのです。
飢えが満たされ、明日の心配が薄れれば、自ら負け戦に突撃する人はいないでしょう?
兵が減れば戦は早く終わるし、無理に徴兵してもモチベーションは下がるはずです。
なにより、お腹に力が入れば、無理難題に反抗する気力も湧くかな、って」
とつとつと語られる言葉を、王妃はじっと黙り込んで聞いていた。
子供の理想論だ。
もしくは夢物語。
だけど・・・・・・・。
一国の王妃として、考える。
何処かの慈善家が奮起して手を差し伸べた。
ただそれだけのことだ。
たとえ失敗しても、この国に悪影響があるわけではない。
成功すれば………どうだろう?
もしかしたら飢えを満たして力を増した兵士が増えることになるかもしれないけれど、そうなる前に、おそらく戦は終わっているだろう。
それほどに隣国はすでに疲弊しきっており、ギリギリなのだから。
「そうね。子供が親や親族に手紙を送ることを咎めることはできないわ。それは当然の権利ですもの」
こくりと自分自身に言い聞かすように頷くと、次いで、王妃はニコリとほほ笑んだ。
「どうぞ、おばあ様に手紙を送って差し上げて。そして、あなたのその優しさが実を結ぶときは、きっとどこかの誰かも手助けしたいと思うと思うの。たとえば、義理の息子に可愛いお嫁さんが来てくれそうで喜んでいるお姑さん、とかね」
王妃という立場上、表立って支援することは難しい。下手したら敵国に塩を送った背任行為として捉えられかねない。
だから、………つまりはそういうことだ。
「ありがとうございます、王妃様」
レイラは、満面の笑みでお礼を言うと、手紙を書くために足早に御前を辞した。
「そうですね。ただ、誰も傷つける事は無かったとだけは言っておきます」
大切な家族の名誉の為にそれだけは、と口にしたレイラに王妃は分かってるというように頷いた。
「それで、連絡の手段があったなら、なぜ今更なの?」
「この国に来たこと自体は納得済みのことでした。それに、正直この国に着いてからの後も、ある意味予想範囲内だったので、連絡を取る必要性を感じなかったのです。それより………」
尤もな疑問にレイラは、自分の考えを語った。
戦争を起こした王侯貴族はどうでもいいが、その下で犠牲になり今も苦しんでいるであろう人たちを少しでもどうにかできないかと考えたこと。
それには、国の柵にとらわれないババ様たちに助けてもらえたら、早道なのではないかと結論付けたこと。
「戦争が起こったとして、この国が負けるとは思っていません。だけど、勝ったとしても無傷とはいかないのではないでしょうか?少しでも早く終わらせた方が傷は浅いでしょうし、危険も少なくなります」
「それで、どうして敵国の民へ支援しようという結論になったの?」
「飢饉が起こり、飢えから逃れるために戦争に参加する人たちがいるそうです。
戦に勝てばこの飢えから逃れられるという上からの言葉を信じて、戦争に賛成しているとも。
だから、言い方は悪いけど目先の欲を満たしてしまえば、少しは冷静になるんじゃないかな、と思ったのです。
飢えが満たされ、明日の心配が薄れれば、自ら負け戦に突撃する人はいないでしょう?
兵が減れば戦は早く終わるし、無理に徴兵してもモチベーションは下がるはずです。
なにより、お腹に力が入れば、無理難題に反抗する気力も湧くかな、って」
とつとつと語られる言葉を、王妃はじっと黙り込んで聞いていた。
子供の理想論だ。
もしくは夢物語。
だけど・・・・・・・。
一国の王妃として、考える。
何処かの慈善家が奮起して手を差し伸べた。
ただそれだけのことだ。
たとえ失敗しても、この国に悪影響があるわけではない。
成功すれば………どうだろう?
もしかしたら飢えを満たして力を増した兵士が増えることになるかもしれないけれど、そうなる前に、おそらく戦は終わっているだろう。
それほどに隣国はすでに疲弊しきっており、ギリギリなのだから。
「そうね。子供が親や親族に手紙を送ることを咎めることはできないわ。それは当然の権利ですもの」
こくりと自分自身に言い聞かすように頷くと、次いで、王妃はニコリとほほ笑んだ。
「どうぞ、おばあ様に手紙を送って差し上げて。そして、あなたのその優しさが実を結ぶときは、きっとどこかの誰かも手助けしたいと思うと思うの。たとえば、義理の息子に可愛いお嫁さんが来てくれそうで喜んでいるお姑さん、とかね」
王妃という立場上、表立って支援することは難しい。下手したら敵国に塩を送った背任行為として捉えられかねない。
だから、………つまりはそういうことだ。
「ありがとうございます、王妃様」
レイラは、満面の笑みでお礼を言うと、手紙を書くために足早に御前を辞した。