御曹司様はもふもふ好きのペットシッターに運命を感じました
ドキドキとうるさく鳴っている胸を押さえ、その場を離れた。湊さんが平日に顔を出したことに驚いていたおばあちゃんから紅茶のセットを受け取り部屋に戻った。
久城家は大きな会社をいくつも経営していて、湊さんは本社で部長職に就いているということだった。今は大きな案件を複数抱えていて忙しいのだとか。そんなに忙しいのにわざわざ帰ってきてアレクセイと過ごす時間を作るなんて気になることがあったのだろうか。
「そろそろ時間だ。もう行くよ」
「じゃあ、私も今日はこれを片付けて帰ります」
「そうか。送れなくて悪いが気をつけて帰るんだよ」
「はい、ありがとうございました」
アレクセイに別れの言葉をかけて扉を開けたところで、湊さんが振り返った。
「そういえば週末はもう少し早い時間に帰ってこられそうだから、俺も一緒に散歩に行ってもいいかな?」
「もちろんです。では、失礼します」
それから湊さんは週末は帰宅し、私と一緒にアレクセイの散歩を行うようになっていた。一緒に過ごす時間が増えていくほどに優しく気遣ってくれる湊さん。会うごとに湊さんの私に向ける表情が蕩けそうなほど甘く感じ、恋愛経験の少ない私は誤解してしまいそうだった。