『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...
「な、何のことだか、さっぱり分からないな……。僕は男だよ?」


私は最後の悪あがきとして、涙目になりながらも低めの声をキープしようとした。

けれど、一ノ瀬くんはフッと鼻で笑うと、私のカバンから突き出ていた『ある物』を指差した。


「じゃあ、なんで男の鞄に『限定サクラの香りのハンドクリーム(女子用)』が入ってんの?」

「あ……」


今朝、うっかりカバンの外ポケットに突っ込んだままだった。


「これでも言い張る? 学校にバラされたくなかったら、正直に言えば?」


彼の美しい瞳の奥に、捕まえたと言わんばかりの、サディスティックな光が宿っている。


「……う、うぅ……」


もう、言い逃れはできない。

私は観念して、本来の、少し高めの女の子の声で白白した。


「……そうだよ。女子だよ、でも! バラさないで!お願い!」


両手を合わせて必死に頭を下げると、一ノ瀬くんは満足そうにクスクスと笑った。


「いいよ、バラさないであげる。その代わり――」


一ノ瀬くんは、自分の重そうな通学カバンを、私の胸元にドサッと押し付けてきた。


「今日からお前は、俺の専用のパシリね。 秘密を守ってほしかったら、俺の言うこと、何でも聞きなよ? 小鳥遊さん」

「は……? へ?」


女子にモテモテのハーレム状態から、一転。私は初日から、隣の席の冷徹天才男子に秘密を握られ、絶対服従のパシリ(奴隷)にされてしまったのだった――。
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