『イケメンになりたい!』で始めた学校生活、モテすぎてハーレム状態!?もう戻れない...
『明日、朝7時に学校の裏口な。俺の分のノートと、購買のメロンパン買って待ってて』


前日の夜、一ノ瀬くんから届いた最悪なメッセージのせいで、私は翌朝、眠い目をこすりながら学校の裏口に立っていた。

もちろん、バッチリ男装のメイクをして、ネクタイを締めて。


「お、早いじゃん。パシリの才能あるよ、お前」


影からひょっこり現れた一ノ瀬くんは、昨日とは打って変わって、機嫌良さそうに私の頭をぽんぽんと叩いた。

その、男子らしい大きな手のひらに、私の心臓が不意にトクンと跳ね上がる。


な、何なの……! 秘密を握ってるからって、調子に乗って……!


「ほら、頼まれたメロンパンと、ノート」

「ありがと。じゃ、教室行こ」


一ノ瀬くんはメロンパンを受け取ると、当然のように私の肩に腕を回してきた。

外から見れば、仲の良い男子同士の登校風景。

だけど、中身が女子の私にとっては、至近距離のイケメンに心臓がもたない。


「ちょっと、一ノ瀬くん、距離が近い……っ」

「いいじゃん、周り見てみなよ」


一ノ瀬くんがニヤニヤしながら顎で指した先。

登校してきた女子生徒たちが、僕たちを見て一斉に悲鳴を上げていた。

「キャーーーッ! ツムギくんが一ノ瀬くんと肩組んでる!」

「あの孤高の天才一ノ瀬くんが、ツムギくんにだけ心を開いてるの!? 尊い……っ!」


ええええっ!? そっちの反応になっちゃうの!?


女子モテを狙ったはずの男装生活。


なぜか冷徹男子のパシリにされ、周囲の女子からは「尊いボーイズラブ(?)」として拝まれるという、私の学校生活はさらにわけのわからないカオスへと突入していくのだった。
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