銀狼騎士は転生悪役令嬢と番になる運命でした
【エリーゼ視点】
「――できたわ……っ!」
カラン、と心地よい音を立てて、魔力窯の注ぎ口から、水晶の小瓶へと薬液が流れ落ちた。
それは、まるで夜空の星屑を溶かし込んだかのように美しく輝く、究極の魔力回復・精神安定薬――『天蓮聖水(てんれんせいすい)』。
私が新しい世界で、自分の力と知識、そしてレオンの教えを組み合わせて作り上げた、最初の「奇跡の薬」だった。
「レオン、できたわよ! 見て――」
嬉しさのあまり振り返ると、ちょうど扉を開けて部屋に戻ってきたレオンと視線がぶつかった。
彼の琥珀色の瞳には、ほんの僅かだけ、獰猛な「野獣」の残光が揺らめいていた。廊下から微かに漂ってくる張り詰めた空気に、私は彼が私の知らないところで、また私を守るために戦ってくれていたのだと察する。
「レオン……また、私を守ってくれたのね」
私は小瓶を机に置くと、彼のもとへと駆け寄り、その大きな手を両手でぎゅっと握りしめた。
「すまない、エリーゼ。完全に気配を断ち切れなかった。公爵家の手の者が、この街にも入り込んでいる。……怖かったか?」
レオンは少し申し訳なさそうに銀色の耳を伏せた。
けれど、私は首を横に振った。昨夜の彼の情熱的な口づけを受け入れたその時から、私の心に迷いは一切ない。
「いいえ、全然怖くないわ。だって、私には世界一強くて、私を『俺のもの』って言ってくれた騎士様がいるもの」
「っ……!」
私が悪戯っぽく、けれど精一杯の愛を込めてそう告げると、レオンは一瞬だけ目を見開いた後、観念したように低く笑った。そして、握られていた手を引き寄せ、私を勢いよくその胸の中へと抱きすくめた。
「お前は本当に……俺の理性を試すのが上手いな、エリーゼ」
耳元で響く彼の低い声と、背中に回された腕の強さに、胸の奥がまた熱く満たされていく。
「この薬があれば、どんなに強い呪いや過去の傷だって癒せるわ。レオン、これを売ってお金を稼いだら、次はもっと遠くへ行きましょう。公爵家の手が絶対に届かない、世界の果てまで」
「ああ。お前が行く場所なら、地獄の底まで付き合ってやる。……だが、その前に」
レオンは私の身体を少しだけ離すと、昨夜と同じ、熱く濡れた眼差しで私の唇を見つめた。
「昨夜の続きを、させてもらうぞ。今度は、風の邪魔も入らないからな」
「……ええ。喜んで、レオン」
白く流れる雲の上の街で、私たちは再び、昨日よりも深く、情熱的に唇を重ね合わせた。
「――できたわ……っ!」
カラン、と心地よい音を立てて、魔力窯の注ぎ口から、水晶の小瓶へと薬液が流れ落ちた。
それは、まるで夜空の星屑を溶かし込んだかのように美しく輝く、究極の魔力回復・精神安定薬――『天蓮聖水(てんれんせいすい)』。
私が新しい世界で、自分の力と知識、そしてレオンの教えを組み合わせて作り上げた、最初の「奇跡の薬」だった。
「レオン、できたわよ! 見て――」
嬉しさのあまり振り返ると、ちょうど扉を開けて部屋に戻ってきたレオンと視線がぶつかった。
彼の琥珀色の瞳には、ほんの僅かだけ、獰猛な「野獣」の残光が揺らめいていた。廊下から微かに漂ってくる張り詰めた空気に、私は彼が私の知らないところで、また私を守るために戦ってくれていたのだと察する。
「レオン……また、私を守ってくれたのね」
私は小瓶を机に置くと、彼のもとへと駆け寄り、その大きな手を両手でぎゅっと握りしめた。
「すまない、エリーゼ。完全に気配を断ち切れなかった。公爵家の手の者が、この街にも入り込んでいる。……怖かったか?」
レオンは少し申し訳なさそうに銀色の耳を伏せた。
けれど、私は首を横に振った。昨夜の彼の情熱的な口づけを受け入れたその時から、私の心に迷いは一切ない。
「いいえ、全然怖くないわ。だって、私には世界一強くて、私を『俺のもの』って言ってくれた騎士様がいるもの」
「っ……!」
私が悪戯っぽく、けれど精一杯の愛を込めてそう告げると、レオンは一瞬だけ目を見開いた後、観念したように低く笑った。そして、握られていた手を引き寄せ、私を勢いよくその胸の中へと抱きすくめた。
「お前は本当に……俺の理性を試すのが上手いな、エリーゼ」
耳元で響く彼の低い声と、背中に回された腕の強さに、胸の奥がまた熱く満たされていく。
「この薬があれば、どんなに強い呪いや過去の傷だって癒せるわ。レオン、これを売ってお金を稼いだら、次はもっと遠くへ行きましょう。公爵家の手が絶対に届かない、世界の果てまで」
「ああ。お前が行く場所なら、地獄の底まで付き合ってやる。……だが、その前に」
レオンは私の身体を少しだけ離すと、昨夜と同じ、熱く濡れた眼差しで私の唇を見つめた。
「昨夜の続きを、させてもらうぞ。今度は、風の邪魔も入らないからな」
「……ええ。喜んで、レオン」
白く流れる雲の上の街で、私たちは再び、昨日よりも深く、情熱的に唇を重ね合わせた。