恋の練習のはずが、若手社長の溺愛に蕩かされています~声フェチ女子は断れない~
「あ、ああ、すまない。からかったのは悪かったよ」

 そこで郁の視線を察したようだ。

 風早は前を向いたまま、ハッとして早口で謝った。

 郁は首を傾げてしまう。

 どうして話が途切れたのか、しかも微笑を浮かべたのか……なにもわからない。

 でも指摘するには曖昧な反応だった。

「いや、でもわかるよ。俺は特にフランス語が優雅な響きで好きだな」

 それに風早はすぐに話を続けた。

 郁はやや消化不良を感じつつも、同意する。

「はい。私も好きですね。風早社長は特定の好きな歌とかは……」

 話を戻されたのだし、追求する空気も消えた。

 だからここまでのように答える。

 風早からも返答があり、その後は元通り、楽しい話をした。
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