恋の練習のはずが、若手社長の溺愛に蕩かされています~声フェチ女子は断れない~
一ヵ月の恋人同士
それ以来、郁と風早は恋人同士の練習を重ねた。
休日にはデートをしたし、定時後に食事へ行ったりもした。
そのうち風早を「玲音さん」と呼ぶようになり、風早からも「郁」になった。
郁にとって、幸せな日々が続いた。
なにしろ大好きな声を特別な関係で聴けるのだ。
一生で一番幸せなひとときかもしれない、とすら思った。
おまけに玲音は恋人らしいやり方にも慣れて、愛情表現も格段に上達した。
抱き寄せる、手を握る、名前を囁く……。
『囁く』は郁にとって毎回、心臓を刺激されて刺激が強かったけれど。
それに玲音の言い方は悪戯っぽかった。
郁を軽くからかうようなことも言うし、郁は毎回拗ねるのだったが、玲音は楽しんでいるようだ。
ここだけは苦笑になる郁だったが、そのうちそれすら快くなった。
ドキドキ跳ねる心臓も、彼からの特別な言葉も、郁の気持ちを少しずつ変えた。
(この時間が練習じゃなければ……いいのに)
そこまで思うようになった。まるで玲音に恋をしたかのような感情だ。
でもそんなことは言えるわけがなかった。玲音を困らせるだけだから。
(この時間を堪能できるだけでいいんだから……)
そのように自分に言い聞かせたけれど、その中の寂しさも自覚していた。
休日にはデートをしたし、定時後に食事へ行ったりもした。
そのうち風早を「玲音さん」と呼ぶようになり、風早からも「郁」になった。
郁にとって、幸せな日々が続いた。
なにしろ大好きな声を特別な関係で聴けるのだ。
一生で一番幸せなひとときかもしれない、とすら思った。
おまけに玲音は恋人らしいやり方にも慣れて、愛情表現も格段に上達した。
抱き寄せる、手を握る、名前を囁く……。
『囁く』は郁にとって毎回、心臓を刺激されて刺激が強かったけれど。
それに玲音の言い方は悪戯っぽかった。
郁を軽くからかうようなことも言うし、郁は毎回拗ねるのだったが、玲音は楽しんでいるようだ。
ここだけは苦笑になる郁だったが、そのうちそれすら快くなった。
ドキドキ跳ねる心臓も、彼からの特別な言葉も、郁の気持ちを少しずつ変えた。
(この時間が練習じゃなければ……いいのに)
そこまで思うようになった。まるで玲音に恋をしたかのような感情だ。
でもそんなことは言えるわけがなかった。玲音を困らせるだけだから。
(この時間を堪能できるだけでいいんだから……)
そのように自分に言い聞かせたけれど、その中の寂しさも自覚していた。