恋愛偏差値0.01。
想像とかけ離れすぎた部屋に、一瞬固まってしまう。
部屋はコンクリート打ちっぱなしの壁に、真っ白なカーテン。
背の低いキングサイズのベッドと、その横にはシンプルなサイドテーブルが置かれている。

余計な物はほとんどなく、生活感もあまり感じられない。
そして何より――。
「……サンドバッグ?」
天井から、大きなサンドバッグが吊るされていた。

ぬいぐるみが並んでいる部屋を勝手に想像していただけに、その光景に思考が止まってしまう。
凪くんはサンドバッグの前まで歩いて行くと、ぽすっ、ぽすっと、ふにゃふにゃのパンチを繰り出した。
「たまには動かなきゃねぇ♡」

その姿を見ていると、さっきまで感じていた意外さなんて、どこかへ飛んでいってしまう。
「……やっぱり可愛い。」
思わず、小さく笑ってしまった。

「美月ぃ〜♡」
「はい!」
「お話しよぉ〜!」
凪くんはベッドにちょこんと腰掛けると、おいでおいでと手招きする。
さすがに――ベッドはまずい気がした。
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