スパダリの溺愛はスーツを着崩すように

最終話 着崩すほどに君を愛してる

黒澤社長の家の前で私は小さく深呼吸をした。
インターホンを押そうとする指が震える。

今日はどうしても伝えたい。
黒澤社長に好きだって…。
もう恋人のフリなんかじゃない、私の本当の気持ちを。

意を決してインターホンを押す。

しばらくすると扉が開いた。

「…彩乃?どうした?こんな時間に」

「……あのお話があって…」

私を見つめると黒澤社長は優しく微笑んで、

「…分かった、入って」


リビングのソファに座る。
黒澤社長が飲み物を用意しようとした、その時。


「あの!黒澤社長!」


思わず声を上げてしまった。
早く伝えたかった。


「ん?」


「先に聞いてほしいことがあるんです」


黒澤社長は向かいに座った。


私は膝の上でぎゅっと手を握りしめた。
心臓がうるさい。


私はまっすぐに黒澤社長を見つめた。
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