四神と都の剣
「大丈夫?辛かったら、無理して話さなくても大丈夫だよ?」

「悪い。大丈夫だ……」

葉月は水を一気に飲み干した後、一つ息を吐いて言う。

「普通、どの山にも木霊などの精霊がいる。でもその気配が一切なかった。代わりに、陰鬱な気持ちになってしまう空気みたいなのが漂っていたな」

葉月の言葉を聞いて、朱雀と玄武は顔を見合わせる。朱雀は拳を握り締めた。

「それ、もしかしたら怪異かもしれない。僕たちで山に行ってみるよ」

そう言った朱雀は、玄武と共に家の外に飛び出した。



骸喰山の前に朱雀と玄武は着くと、すぐに気配を感じた。朱雀が「怪異、いるね……」と呟く。怪異を探知する耳飾りも反応を示していた。玄武が「警戒を怠らないようにね」と言い、山の中へと入っていく。

朱雀はすぐに扇子を取り出し、開けた。扇子の一部に炎が灯る。これで怪異といつでも戦える。ーーーのだが。

「おかしいな……」

玄武が足を止める。朱雀も足を止めた。辺りは不気味なほど、静まり返っている。
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