四神と都の剣
沙月は呆れた様子の葉月の手を引く。葉月の頰が赤く染まった。

「葉月、行こう。妖怪のみんなにはここで待っててもらおうよ」

「……わかった」

沙月と葉月はそのまま山の中へと入っていく。山の奥へと足を踏み出すたび、沙月の体に寒気が走った。

「寒い……」

沙月が体を震わせると、葉月が羽織っていたシャツを脱いで沙月に渡す。

「着とけ」

「いいの?」

「風邪引かれたら困る」

葉月は沙月から目を逸らし、耳まで真っ赤にしながらシャツを差し出した。沙月は笑ってシャツを受け取る。

「ありがとう!」

シャツを羽織ると寒さは少し和らいだように思えた。沙月は息を吐く。

「もしかしてこの寒さって、怪異が関係してるのかな?」

「その可能性はあるだろうな。……嫌な気配だ」

その時、ズルズルと何かを引き摺るような物音に沙月と葉月は足を止める。振り返った沙月の口から悲鳴が飛び出した。人の顔がついた巨大な蛇がこちらに向かっている。

「ッ!」

葉月が手から炎を出し、蛇に向かって投げ付ける。火は確かに蛇に当たった。しかし、蛇は涼しい顔で動き続ける。
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