王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
聖堂は朝から昼前までに訪れて祈りを捧げる者が多い。テレジア教の教徒であれば、誰でも自由に聖堂へ足を運ぶことができる。だが、夕方は王族が聖堂を訪れる時間とされており、その時間の訪問だけは制限されていた。
馬車に揺られておよそ十五分。聖堂が見えてきた。ガレッティ国の聖堂は、この王都ネルにある。だから地方に住む者は、大聖堂の方角に向かって祈りを捧げているとも聞く。
聖堂は左右に尖塔を持つ石造りの建物だ。石を繋ぐためには大量の鉄が使われており、それによって聖堂の強度を支えている。尖塔部分は木造で、木のやわらかさを生かした独特な形を作っていた。
夕方のこの時間、聖堂は王族のために静寂に包まれている。エメリーネは足を引きずりながら正面の扉をくぐった。
パイプオルガンが目に飛び込み、月に一度、司教たちがここで神に捧げる歌を歌う情景が脳裏に浮かんだ。その歌を聴くために集まる教徒たちの姿は、王都の風物詩だった。
さらに奥へ行くと、テレジア神の石像があり、その前にひざをついて祈りを捧げるのが慣例である。
奥に進むと、テレジア神の石像が静かに佇んでいる。ステンドグラスから差し込む光が、床に色とりどりの花模様を描き出していた。正午にはその光が神像に花のベールをまとわせるという。
馬車に揺られておよそ十五分。聖堂が見えてきた。ガレッティ国の聖堂は、この王都ネルにある。だから地方に住む者は、大聖堂の方角に向かって祈りを捧げているとも聞く。
聖堂は左右に尖塔を持つ石造りの建物だ。石を繋ぐためには大量の鉄が使われており、それによって聖堂の強度を支えている。尖塔部分は木造で、木のやわらかさを生かした独特な形を作っていた。
夕方のこの時間、聖堂は王族のために静寂に包まれている。エメリーネは足を引きずりながら正面の扉をくぐった。
パイプオルガンが目に飛び込み、月に一度、司教たちがここで神に捧げる歌を歌う情景が脳裏に浮かんだ。その歌を聴くために集まる教徒たちの姿は、王都の風物詩だった。
さらに奥へ行くと、テレジア神の石像があり、その前にひざをついて祈りを捧げるのが慣例である。
奥に進むと、テレジア神の石像が静かに佇んでいる。ステンドグラスから差し込む光が、床に色とりどりの花模様を描き出していた。正午にはその光が神像に花のベールをまとわせるという。