王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
エメリーネは石像の前にひざまずき、両手を組んで祈りを捧げた。シーラもその隣で同じように祈り、二人を包む静寂は神聖な空気で満たされていた。
「シーラ。わたくしは告解室に……」
すべてを言い終える前に、シーラは頷いた。エメリーネが告解室で神と話をしている間、シーラは待合室で待っている。その間は本を読んでいるようだが、たまに司教の誰かと話をしている様子もあった。
だが、なんの話をしているかはわからないし、司教は男女の契りを否とするため、そういった意味ではシーラを待合室で待たせておくのは安心なのだ。
「迷える同士よ。今日はどのような話をテレジア神に伝えたいのでしょうか」
小さな窓の向こうにいる相手の姿は見えない。だが、その声は紛れもなくベルトルトのものだった。
王族であるエメリーネが聖堂に向かうときは、事前に伝えられている。告解室を使うか否かは、エメリーネが聖堂に足を踏み入れてから決める。だが、王妃が亡くなってからは毎回、テレジア神に母との思い出を聞いてもらっていた。
「はい……」
たいていこの窓の向こうはベルトルトか大司教のデオバルトだ。守秘義務があるため、司教たちもここで聞いた内容は絶対に口外しないことになっているが、相手が王族となればまた別なのだろう。
「シーラ。わたくしは告解室に……」
すべてを言い終える前に、シーラは頷いた。エメリーネが告解室で神と話をしている間、シーラは待合室で待っている。その間は本を読んでいるようだが、たまに司教の誰かと話をしている様子もあった。
だが、なんの話をしているかはわからないし、司教は男女の契りを否とするため、そういった意味ではシーラを待合室で待たせておくのは安心なのだ。
「迷える同士よ。今日はどのような話をテレジア神に伝えたいのでしょうか」
小さな窓の向こうにいる相手の姿は見えない。だが、その声は紛れもなくベルトルトのものだった。
王族であるエメリーネが聖堂に向かうときは、事前に伝えられている。告解室を使うか否かは、エメリーネが聖堂に足を踏み入れてから決める。だが、王妃が亡くなってからは毎回、テレジア神に母との思い出を聞いてもらっていた。
「はい……」
たいていこの窓の向こうはベルトルトか大司教のデオバルトだ。守秘義務があるため、司教たちもここで聞いた内容は絶対に口外しないことになっているが、相手が王族となればまた別なのだろう。