王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
テレジア神がそのようなことを教徒の一人に言うなど異例中の異例である。しかしテレジア神も、そうまでしなければこの国が潰れると思ったのだろう。むしろ、いつの間にかエメリーネには悪女という不名誉な二つ名まで。
そこからエメリーネはテレジア神、つまりベルトルトとデオバルトと手を組んだ。
「同士が学んだことを書き留めたとしても、その書き留めたものが誰かに見つかってもよろしくないでしょう。となれば、ここで、私の言葉に耳を傾け、その言葉を記憶すればいいのです」
記憶力との勝負だ。一気に詰め込むことはできない。だから必要なものを少しずつ教えてもらえばいい。
「テレジア神にお伺いします」
エメリーネの凛とした声が響く。
「わたくし、贈り物をくださった方にお礼状を送りたいのです。母が、お礼状を書くのが得意だと聞いておりましたが、残念ながら母のお礼状の写しが、わたくしの手元にはございません。わたくしも母のようなお礼状を書きたいのですが……どう書いたらいいのか、恥ずかしながらよくわかりません」
「わからないことをわからないと口にするのは恥ずかしいことではありません。王妃様のお礼状ですね。よく覚えています……」
彼は王妃のお礼状の内容を、事細かに語り始めた。言葉の選び方、相手への敬意、感謝の表現。その一つ一つが、まるで近くに王妃がいるのでは勘違いしそうなほど。
エメリーネは目を閉じ、その言葉を心に刻みつけた。ベルトルトの声は、まるでテレジア神そのものがエメリーネを導いているように聞こえた。
そこからエメリーネはテレジア神、つまりベルトルトとデオバルトと手を組んだ。
「同士が学んだことを書き留めたとしても、その書き留めたものが誰かに見つかってもよろしくないでしょう。となれば、ここで、私の言葉に耳を傾け、その言葉を記憶すればいいのです」
記憶力との勝負だ。一気に詰め込むことはできない。だから必要なものを少しずつ教えてもらえばいい。
「テレジア神にお伺いします」
エメリーネの凛とした声が響く。
「わたくし、贈り物をくださった方にお礼状を送りたいのです。母が、お礼状を書くのが得意だと聞いておりましたが、残念ながら母のお礼状の写しが、わたくしの手元にはございません。わたくしも母のようなお礼状を書きたいのですが……どう書いたらいいのか、恥ずかしながらよくわかりません」
「わからないことをわからないと口にするのは恥ずかしいことではありません。王妃様のお礼状ですね。よく覚えています……」
彼は王妃のお礼状の内容を、事細かに語り始めた。言葉の選び方、相手への敬意、感謝の表現。その一つ一つが、まるで近くに王妃がいるのでは勘違いしそうなほど。
エメリーネは目を閉じ、その言葉を心に刻みつけた。ベルトルトの声は、まるでテレジア神そのものがエメリーネを導いているように聞こえた。