王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「神といっても、私は神の声を伝える代理人にすぎません」
「では、神の代理人にお尋ねします。わたくしの婚約者としてふさわしいのはどういった者でしょうか」
「それは……」
ベルトルトの声が、かすかに震えたように感じられた。
「それは、同士を幸せにしてくれる人でしょう。国王夫婦が幸せでなければ、国民も幸せになれません」
エメリーネの胸に、両親の姿が浮かんだ。父王と王妃は深く愛し合い、幸せだった。だからこそ、母を失った父の悲しみは深く、彼を気力のない抜け殻に変えた。
「わかりました。わたくしを幸せにしてくれる人。そういった人物がふさわしいということですね。そういった者は、いったいどこにいるのでしょう……?」
閉ざされた世界で育ったエメリーネにとって、異性との出会いは限られていた。だからその声には、かすかな寂しさがにじむ。
「人々は、幸せを求めて遠い場所を見つめがちです。ですが小さな幸せは、いくつも足元に落ちているものではありませんか?」
ベルトルトの言葉は、エメリーネの心に鋭く突き刺さった。息を呑み、目を閉じる。
足元に落ちている幸せ。
「では、神の代理人にお尋ねします。わたくしの婚約者としてふさわしいのはどういった者でしょうか」
「それは……」
ベルトルトの声が、かすかに震えたように感じられた。
「それは、同士を幸せにしてくれる人でしょう。国王夫婦が幸せでなければ、国民も幸せになれません」
エメリーネの胸に、両親の姿が浮かんだ。父王と王妃は深く愛し合い、幸せだった。だからこそ、母を失った父の悲しみは深く、彼を気力のない抜け殻に変えた。
「わかりました。わたくしを幸せにしてくれる人。そういった人物がふさわしいということですね。そういった者は、いったいどこにいるのでしょう……?」
閉ざされた世界で育ったエメリーネにとって、異性との出会いは限られていた。だからその声には、かすかな寂しさがにじむ。
「人々は、幸せを求めて遠い場所を見つめがちです。ですが小さな幸せは、いくつも足元に落ちているものではありませんか?」
ベルトルトの言葉は、エメリーネの心に鋭く突き刺さった。息を呑み、目を閉じる。
足元に落ちている幸せ。