王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
オディロンは頷き、口元に薄い笑みを浮かべる。
「なるほどな。それで、あとの二人は?」
「はい。あとはアルマスが推薦する者。これは完全に敵だとみなしていいでしょう。そしてもう一人、わたくしが信頼を寄せられる味方となってくれる者。その方を推薦していただきたいのです」
エメリーネが静かに言い終えると、オディロンはいきなり立ち上がった。
「エメリーネ。せっかくだから、懐かしい庭を散歩でもしてみないか?」
彼が差し出した手に、エメリーネは微笑んで応じた。
「はい、是非」
手袋越しだというのに、彼の熱い体温が伝わってきた。そうなると、どこか意識してしまう。厚くて剣だこがある手は、エメリーネの白くて細い手とは違い、苦難を乗り越えてきた手だ。胸が小さく高鳴った。
サロンから外に出ると、花の甘い香りがいっそう強くなった。だがそれは決して不快なにおいではない。どこか懐かしく、母親を思い出させるような、そんな切なくも甘い香り。
「あの頃は、この花も大きく見えたのですが……」
「なるほどな。それで、あとの二人は?」
「はい。あとはアルマスが推薦する者。これは完全に敵だとみなしていいでしょう。そしてもう一人、わたくしが信頼を寄せられる味方となってくれる者。その方を推薦していただきたいのです」
エメリーネが静かに言い終えると、オディロンはいきなり立ち上がった。
「エメリーネ。せっかくだから、懐かしい庭を散歩でもしてみないか?」
彼が差し出した手に、エメリーネは微笑んで応じた。
「はい、是非」
手袋越しだというのに、彼の熱い体温が伝わってきた。そうなると、どこか意識してしまう。厚くて剣だこがある手は、エメリーネの白くて細い手とは違い、苦難を乗り越えてきた手だ。胸が小さく高鳴った。
サロンから外に出ると、花の甘い香りがいっそう強くなった。だがそれは決して不快なにおいではない。どこか懐かしく、母親を思い出させるような、そんな切なくも甘い香り。
「あの頃は、この花も大きく見えたのですが……」