王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 だから迷子になったのだ。
「それだけ、大人になったということだろう」
 幼い頃は、大人になることがすべてを解決する魔法のように思えた。
 だがこうやって成人を間近に控え、それが単なる偶像だと知った。なんでもできるようになるためには、努力しなければならない。そして今のエメリーネには、その努力が足りていない。
「それで、補佐官にはどのような人物を望む?」
 どうやらオディロンは、補佐官を真面目に考えていたらしい。
「はい。できれば、女性でお願いします。そして、完全に反アルマス派の家系で。女性というだけで、アルマスはその者を下に見るでしょう。その方がどこの家柄かなんて気にしないはずです」
「それも、テレジア神の教えか?」
 つまりベルトルトの考えかと、オディロンは尋ねている。
「いいえ。テレジア神は味方から一人としか言っておりません。だからわたくしが味方としてふさわしい人物を考え、あなたを頼ろうと思い、ここに来たのです」
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