王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「なるほどな。あの宰相閣下がここに来ることをよく許したな」
「だって、言っておりませんもの。わたくしがどこへ行こうが、アルマスに教える義務はありませんわ。聞かれたら答えますけど」
オディロンは、喉の奥でくくく……と笑う。
「そのときの宰相閣下を目にすることができなくて、残念に思う。きっと、悔しそうな顔をするだろうな。あれは俺を毛嫌いしているから」
「ええ。では後日。あなたに報告しに来ますわね。アルマスがどんな顔をしていたか」
二人は笑い合いながら庭を進み、噴水の前にたどり着いた。水音が静寂を彩る。
噴水から飛び出た水は、ちろちろと小さな流れを作り、この庭園に命を吹き込んでいる。
「そういえば、誰かさんはこの噴水に落ちたこともあるな」
もちろん、その誰かさんとはエメリーネのこと。
「オディロン。あなたはどうして、わたくしのそういう恥ずかしいことばかり覚えていらっしゃるの?」
オディロンのからかいに、エメリーネは頬を膨らませ、つないでいる手にぎゅっと力を込める。
「どうして、だろうな。その頃から、目を離してはいけない、気になる存在だったのだろう」
「だって、言っておりませんもの。わたくしがどこへ行こうが、アルマスに教える義務はありませんわ。聞かれたら答えますけど」
オディロンは、喉の奥でくくく……と笑う。
「そのときの宰相閣下を目にすることができなくて、残念に思う。きっと、悔しそうな顔をするだろうな。あれは俺を毛嫌いしているから」
「ええ。では後日。あなたに報告しに来ますわね。アルマスがどんな顔をしていたか」
二人は笑い合いながら庭を進み、噴水の前にたどり着いた。水音が静寂を彩る。
噴水から飛び出た水は、ちろちろと小さな流れを作り、この庭園に命を吹き込んでいる。
「そういえば、誰かさんはこの噴水に落ちたこともあるな」
もちろん、その誰かさんとはエメリーネのこと。
「オディロン。あなたはどうして、わたくしのそういう恥ずかしいことばかり覚えていらっしゃるの?」
オディロンのからかいに、エメリーネは頬を膨らませ、つないでいる手にぎゅっと力を込める。
「どうして、だろうな。その頃から、目を離してはいけない、気になる存在だったのだろう」