王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
(アルマスとの婚約なんて、死んでもごめんだわ……って、一度、死んでいたわね……それよりも……)
 そこへ、シーラが朝食を手にして部屋に入ってきた。
「エメリーネ様。お食事をお持ちしました」
「えぇ、ありがとう」
 シーラの笑顔が、エメリーネの心を落ち着ける。
「では、食事を終えられましたら、お呼びください」
 礼儀正しいシーラを見送って、エメリーネはスプーンを手にした。ポタージュを一口すくって、口に含む。
 まったりとした濃厚な味わいが、また思考を研ぎ澄ます。
(それよりも、お父様が生きているうちは、わたくしとアルマスの婚約をお父様が反対されていたのよね)
 だからアルマスは父王を邪魔だと思っていた。王配となるためには、国王が邪魔。となれば消せばいい。
(お父様が亡くなるのは今から三年後……それも、おそらく毒によって……って、ちょっと待って……)
 今だからこそ、見えてくる事実がある。パンを咀嚼しながらエメリーネは考える。
(お父様が亡くなる前の症状と、お母さまが亡くなる前……同じように、少しずつ衰弱していったわ。最後には食事も水もとれなくなって……)
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