王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
父王が毒殺されたのは明確だった。それはエメリーネも大人になったから、理解できた。病気であそこまで急激に悪化することはない。王妃が亡くなってから気力を失ってはいたが、エメリーネの結婚に関してだけは慎重だったはずなのに、その父が一気に衰弱したのだ。
毒によるものではないかと指摘したのはベルトルトである。彼はテレジア教の司祭でありながらも、エメリーネにとっては幼馴染で、三歳年上の彼は兄のような存在でもあった。
テレジア教とはこの世界を創生したと言われるテレジアを神として崇める宗教であり、各国に聖堂がある。そこには国の代表として大司祭が務めているが、テレジア教の教皇はコリオという四方を険しい山々に囲まれた国にある大聖堂にいる。だから教皇が各国の聖堂を訪れるのは数年に一度という頻度で、基本的には大司祭が教皇の言葉を聞いて、民に伝えているのだ。
遠く離れた場所にいる教皇の言葉を伝えることができるのは、水鏡と呼ばれる術を使うからだと言われているが、聖職者ではないエメリーネにはその真偽はわからない。
ただガレッティ国では、昔から聖職者と王族は懇意にしてきた。そのため、大司祭の息子ベルトルトとは親しい関係を築けている。
(やはり……ベルトルトは味方に引き入れたほうが得策ね)
そもそもガレッティ国の現状を教えてくれたのが、教皇だった。父王が亡くなり、外部との関係をアルマスによって遮断された。
毒によるものではないかと指摘したのはベルトルトである。彼はテレジア教の司祭でありながらも、エメリーネにとっては幼馴染で、三歳年上の彼は兄のような存在でもあった。
テレジア教とはこの世界を創生したと言われるテレジアを神として崇める宗教であり、各国に聖堂がある。そこには国の代表として大司祭が務めているが、テレジア教の教皇はコリオという四方を険しい山々に囲まれた国にある大聖堂にいる。だから教皇が各国の聖堂を訪れるのは数年に一度という頻度で、基本的には大司祭が教皇の言葉を聞いて、民に伝えているのだ。
遠く離れた場所にいる教皇の言葉を伝えることができるのは、水鏡と呼ばれる術を使うからだと言われているが、聖職者ではないエメリーネにはその真偽はわからない。
ただガレッティ国では、昔から聖職者と王族は懇意にしてきた。そのため、大司祭の息子ベルトルトとは親しい関係を築けている。
(やはり……ベルトルトは味方に引き入れたほうが得策ね)
そもそもガレッティ国の現状を教えてくれたのが、教皇だった。父王が亡くなり、外部との関係をアルマスによって遮断された。