王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 王妃が亡くなり、国王は腑抜けになり、国政の実権を握っているのは私利私欲にまみれたアルマスと、彼に同調する者たち。
 認めたくはないけれど、エメリーネは小さく頷いた。
「国内すら統治できていないこの状況で、女王となる君の相手に他国の者を選んでみろ。相手国に隙を見せれば、この国を乗っ取られる可能性だってある」
 弱体化しているガレッティ国をここぞとばかりに支配しようと、戦をしかけてくる国だってあるかもしれない。
「まずは荒れたこの国をしっかり統治するのが先だ。だから王女様は、国内の有力貴族とつながったほうがいい。それって、俺以外に適任者がいるとは思えないのだが?」
 国を統治するために他国の力を借りようとすれば、それすら脅威になりかねないらしい。それだけこの国の立ち位置は不安定なもの。
「あなたの言い分は理解しました……ですが、即答はできかねます」
「この話を受けなければ、先ほどの補佐官の件はなしだ」
 わかっている。これは絶対に断れない話なのだ。
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