王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
22.
小さな窓の向こう側で、ベルトルトがひゅっと息を呑むのが伝わってきた。すぐに答えは返ってこない。
エメリーネだって悩んでいるのだ。その悩んでいる答えを、テレジア神に導いてもらおうとしているのだから、彼だって言葉を選んでいるにちがいない。
「……それは興味深いお話ですね。同士は、その縁談を受けたくないと?」
「いえ、悩んでいるのです。とても魅力的な話ですが、はたしてそれが、この国にとって、彼にとっていいことなのかと……」
エメリーネとしては、父王を守り、さらにこの国が貧困に喘ぐのを防ぎたい。一度目の人生とは異なる未来を手に入れたいだけなのだ。
とはいえ、そこにオディロンを巻き込んでいいのかどうかを悩んでいた。
四年後には破滅する未来が待つこの国を守るため、アルマスの悪事を暴き、彼を宰相の地位から引きずり下ろす必要がある。
テレジア神から授かったオーラの見える力を用いて、これから味方を増やしていく予定だった。
そのなかで、エメリーネは伴侶となる者すら利用するつもりでいた。テレジア神はエメリーネを幸せにしてくれる者がふさわしいと言葉にしたが、そんな甘いことは言っていられない。
王族として生を受けた以上、国のために愛のない結婚をするのも厭わない。ただ、寝食共にすれば、そこに愛が芽生えていくかもしれないが、今のエメリーネに愛は不要。
エメリーネだって悩んでいるのだ。その悩んでいる答えを、テレジア神に導いてもらおうとしているのだから、彼だって言葉を選んでいるにちがいない。
「……それは興味深いお話ですね。同士は、その縁談を受けたくないと?」
「いえ、悩んでいるのです。とても魅力的な話ですが、はたしてそれが、この国にとって、彼にとっていいことなのかと……」
エメリーネとしては、父王を守り、さらにこの国が貧困に喘ぐのを防ぎたい。一度目の人生とは異なる未来を手に入れたいだけなのだ。
とはいえ、そこにオディロンを巻き込んでいいのかどうかを悩んでいた。
四年後には破滅する未来が待つこの国を守るため、アルマスの悪事を暴き、彼を宰相の地位から引きずり下ろす必要がある。
テレジア神から授かったオーラの見える力を用いて、これから味方を増やしていく予定だった。
そのなかで、エメリーネは伴侶となる者すら利用するつもりでいた。テレジア神はエメリーネを幸せにしてくれる者がふさわしいと言葉にしたが、そんな甘いことは言っていられない。
王族として生を受けた以上、国のために愛のない結婚をするのも厭わない。ただ、寝食共にすれば、そこに愛が芽生えていくかもしれないが、今のエメリーネに愛は不要。