王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
必要なのは、知識とそして思い通りに動いてくれる味方。
そのなかでエメリーネの心を掻き乱すオディロンは異質の存在であった。彼に頼りたいと思う反面、巻き込みたくないという気持ちもある。
「同士が願うのはガレッティ国の安穏。そうであれば、この縁談は受けるべきです」
はっきりした口調のテレジア神の声に、エメリーネの身体は小さく跳ねた。いつも曖昧な言い方で、エメリーネ自身に考えるよう促すテレジア神が、明確に意見を口にするなんて稀なこと。
ただテレジア神は、エメリーネの結婚相手はエメリーネを幸せにしてくれる人だと言っていたのだ。そのために足元に目を向けろとも。
つまりテレジア神は、あのときからエメリーネの伴侶にふさわしい者をわかっていたのではないだろうか。
「ですが、わたくしの相手には他国の王族や貴族だっていいはずです。母は、友好国ジオグ国の貴族です」
「だからです。今、この国は国政が落ち着いているとはいえません。その状態でジオグ国の者と縁をもったとしましょう。王妃、そして王配。二代続けてジオグ国の者が選ばれ、ガレッティ国の実情を知ったら、この国を支配しようと考える者も出てくるかもしれません。戦とは、資源を奪うために起こることもたびたびあるのです」
そのなかでエメリーネの心を掻き乱すオディロンは異質の存在であった。彼に頼りたいと思う反面、巻き込みたくないという気持ちもある。
「同士が願うのはガレッティ国の安穏。そうであれば、この縁談は受けるべきです」
はっきりした口調のテレジア神の声に、エメリーネの身体は小さく跳ねた。いつも曖昧な言い方で、エメリーネ自身に考えるよう促すテレジア神が、明確に意見を口にするなんて稀なこと。
ただテレジア神は、エメリーネの結婚相手はエメリーネを幸せにしてくれる人だと言っていたのだ。そのために足元に目を向けろとも。
つまりテレジア神は、あのときからエメリーネの伴侶にふさわしい者をわかっていたのではないだろうか。
「ですが、わたくしの相手には他国の王族や貴族だっていいはずです。母は、友好国ジオグ国の貴族です」
「だからです。今、この国は国政が落ち着いているとはいえません。その状態でジオグ国の者と縁をもったとしましょう。王妃、そして王配。二代続けてジオグ国の者が選ばれ、ガレッティ国の実情を知ったら、この国を支配しようと考える者も出てくるかもしれません。戦とは、資源を奪うために起こることもたびたびあるのです」