王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
だが、彼は人払いをしていたのだろう。テーブルにお茶やお菓子が用意されていたが、他には誰もいなかった。
「……オディロン」
彼の申し出に答えようとその名を唇にのせるが、肝心のオディロンは「これは君の好きなお茶だ」と、先にお茶を飲むようにすすめてきた。
「この焼き菓子も好きだったよな?」
星形やハート型に形取られたクッキーだが、その真ん中にはジャムがのせられているもの。
「そういえば……宝石みたいだと言って、両手にもって食べていたな」
「なっ……だから、どうして、あなたは……」
エメリーネの恥ずかしい話ばかり覚えているのだろうか。
赤くなっただろう頬を隠すかのように、白磁のカップに手を伸ばす。ふわっと芳しい香りによって鼻腔を刺激され、エメリーネはコクリと一口だけお茶を口に含んだ。
「……美味しい」
「そうか。気に入ってもらえてよかったよ」
オディロンの口元がふっとゆるんだ。
「……オディロン」
彼の申し出に答えようとその名を唇にのせるが、肝心のオディロンは「これは君の好きなお茶だ」と、先にお茶を飲むようにすすめてきた。
「この焼き菓子も好きだったよな?」
星形やハート型に形取られたクッキーだが、その真ん中にはジャムがのせられているもの。
「そういえば……宝石みたいだと言って、両手にもって食べていたな」
「なっ……だから、どうして、あなたは……」
エメリーネの恥ずかしい話ばかり覚えているのだろうか。
赤くなっただろう頬を隠すかのように、白磁のカップに手を伸ばす。ふわっと芳しい香りによって鼻腔を刺激され、エメリーネはコクリと一口だけお茶を口に含んだ。
「……美味しい」
「そうか。気に入ってもらえてよかったよ」
オディロンの口元がふっとゆるんだ。