王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
揶揄われるのが悔しくて言い返してみたが、彼にはまったく効果がなかった。代わりに彼は顔を近づけてきて、エメリーネの耳元でそっとささやく。
「俺の気持ちを受け入れたくせに……」
やはり彼は意地悪だ。エメリーネはぷいっとそっぽを向きながら、お茶を飲んだ。
オディロンの行動は早かった。
彼の条件を受け入れてから五日後、エリナ・ナウマンがエメリーネの補佐官として執務室に姿を現した。
「このたび、エメリーネ王女殿下の補佐官に任命された、エリナ・ナウマンです。よろしくお願いします」
飾り気のない事務官服に身を包んだエリナは、軍人のようにきびきびとした声で挨拶をした。オディロンと親戚関係にあるからか、彼女の髪は黒く、それをびしっと一つに結わえている。小柄だが目力のある女性で、元軍人と言われれば納得できる。
「よろしくね、エリナ」
「もったいないお言葉でございます」
「あなたは、軍人を辞めたところを、わたくしがたまたま引き抜いたことになっているの」
エメリーネの言葉に、エリナも小さく頷いた。
「俺の気持ちを受け入れたくせに……」
やはり彼は意地悪だ。エメリーネはぷいっとそっぽを向きながら、お茶を飲んだ。
オディロンの行動は早かった。
彼の条件を受け入れてから五日後、エリナ・ナウマンがエメリーネの補佐官として執務室に姿を現した。
「このたび、エメリーネ王女殿下の補佐官に任命された、エリナ・ナウマンです。よろしくお願いします」
飾り気のない事務官服に身を包んだエリナは、軍人のようにきびきびとした声で挨拶をした。オディロンと親戚関係にあるからか、彼女の髪は黒く、それをびしっと一つに結わえている。小柄だが目力のある女性で、元軍人と言われれば納得できる。
「よろしくね、エリナ」
「もったいないお言葉でございます」
「あなたは、軍人を辞めたところを、わたくしがたまたま引き抜いたことになっているの」
エメリーネの言葉に、エリナも小さく頷いた。