王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
25.
「お茶会?」
 エメリーネが小さく首を傾けると、エリナは「はい」と元気よく答える。
「エメリーネ様は社交デビューをしましたので、これからは社交界にも積極的に顔を出していく必要があります。その中で、エメリーネ様の味方となるような女性を増やしていきましょう」
 まるでオディロンが言いそうなことだ。
「王妃様もお亡くなりになってしまったので、それ以来、こちらの王城でお茶会などは開かれておりません。だけどご夫人たちは、美味しいお茶と噂話が大好きです。王妃様が亡くなってからは一年以上も経っておりますから、エメリーネ様の名前で茶会を開いても何も問題はありません」
 エリナの話を聞きながら、エメリーネは顎を指で軽くつまんだ。
「だけど、わたくしが突然、お茶会を開いたら、不思議に思う者もいるのでは?」
 もちろんその筆頭がアルマスだ。
「まぁ、そう思う人もいるかもしれませんが……お茶会を開く理由なんて、なんでもいいんですよ。面倒くさい人たちを納得させるなら、誕生日の贈り物の礼を兼ねてとか言えばいいんじゃないですか?」
 なるほど、と思いつつも、やはりエメリーネの頭の中では、アルマスをどう言いくるめようかと考えている。
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