王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「その代わり、あなたの勉強の結果をわたくしにも教えてちょうだい。何が毒になって何が薬になるのか」
「もちろんです。もしエメリーネ様の食事に毒を入れられたとしても、私がすぐに解毒しますから」
「心強いわね。でもまずは、毒を入れられるような状況を作らないのが先ね。そのためにも、わたくしも各貴族の関係を覚えないと……」
エメリーネはゆっくり立ち上がる。
「今から、貴族名鑑を閲覧しに行くわ。招待状を書くにしても、茶会を開くにしても、必要なことよね」
「はい。私で知っていることでしたら教えますので、わからないことは遠慮なくばんばん訊いてくださいね。というわけで、ベルジュ公爵から贈り物がございます」
少々お待ちくださいと、エリナは自分の荷物をごそごそと漁って、何かを手にしてエメリーネの前に差し出した。
「どうぞ」
エリナが渡したのはまさしく貴族名鑑である。
「これをオディ……ベルジュ公爵が?」
「はい。エメリーネ様はきっと不自由されているようだからって」
「これは、ベルジュ公爵家所有の貴族名鑑よね?」
王家と各公爵家の貴族名鑑には各家の歴史や特権まで記載されているが、それ以外は名前と地位しか書かれていないものだ。
「もちろんです。もしエメリーネ様の食事に毒を入れられたとしても、私がすぐに解毒しますから」
「心強いわね。でもまずは、毒を入れられるような状況を作らないのが先ね。そのためにも、わたくしも各貴族の関係を覚えないと……」
エメリーネはゆっくり立ち上がる。
「今から、貴族名鑑を閲覧しに行くわ。招待状を書くにしても、茶会を開くにしても、必要なことよね」
「はい。私で知っていることでしたら教えますので、わからないことは遠慮なくばんばん訊いてくださいね。というわけで、ベルジュ公爵から贈り物がございます」
少々お待ちくださいと、エリナは自分の荷物をごそごそと漁って、何かを手にしてエメリーネの前に差し出した。
「どうぞ」
エリナが渡したのはまさしく貴族名鑑である。
「これをオディ……ベルジュ公爵が?」
「はい。エメリーネ様はきっと不自由されているようだからって」
「これは、ベルジュ公爵家所有の貴族名鑑よね?」
王家と各公爵家の貴族名鑑には各家の歴史や特権まで記載されているが、それ以外は名前と地位しか書かれていないものだ。