王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「はい、ベルジュ公爵は覚えたからもういいそうです」
「そう……」
装丁をなでるように指を這わせるエメリーネは、オディロンの気遣いに胸がじんわりと熱くなった。
「それから、ベルジュ公爵から伝言がございまして。私の言葉ではなくベルジュ公爵からです。くれぐれも私の言葉ではございません」
その前置きに嫌な予感しかしない。
「コホン。では、僭越ながらベルジュ公爵からの言葉をお伝えさせていただきます。『これでしっかり勉強しておくように、世間知らずの王女様』」
ゴホッと噴き出しそうになったのは、部屋の隅で控えていたシーラだ。
「申し訳ございません」
澄ました顔で謝罪するシーラだが、エメリーネとオディロンの関係を知っている彼女は笑いを堪えているようにも見えた。
「エメリーネ様、私ではなくベルジュ公爵がそうおっしゃっていたんです」
「えぇ、わかっているわ。あの人なら言いそうだもの」
いくらオディロンの言葉とはいえ、それをエメリーネ本人に伝えられるだけの度胸を持つエリナという女性を、知らしめたかったにちがいない。
「そう……」
装丁をなでるように指を這わせるエメリーネは、オディロンの気遣いに胸がじんわりと熱くなった。
「それから、ベルジュ公爵から伝言がございまして。私の言葉ではなくベルジュ公爵からです。くれぐれも私の言葉ではございません」
その前置きに嫌な予感しかしない。
「コホン。では、僭越ながらベルジュ公爵からの言葉をお伝えさせていただきます。『これでしっかり勉強しておくように、世間知らずの王女様』」
ゴホッと噴き出しそうになったのは、部屋の隅で控えていたシーラだ。
「申し訳ございません」
澄ました顔で謝罪するシーラだが、エメリーネとオディロンの関係を知っている彼女は笑いを堪えているようにも見えた。
「エメリーネ様、私ではなくベルジュ公爵がそうおっしゃっていたんです」
「えぇ、わかっているわ。あの人なら言いそうだもの」
いくらオディロンの言葉とはいえ、それをエメリーネ本人に伝えられるだけの度胸を持つエリナという女性を、知らしめたかったにちがいない。