王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「では早速、わたくしはこちらの内容を確認するわ」
 エメリーネが書庫で貴族名鑑を閲覧すれば、それはいずれアルマスにも伝わるだろう。となれば、彼は妨害してくるか、エメリーネを怪しむか。
 オディロンがこれを貸してくれたというのは、アルマスに隠れて学べと、そういう意図を感じる。
「エメリーネ様、お茶の用意をいたします。エリナさんもいかがですか?」
「シーラさん」
 ぱっとシーラに顔を向けたエリナは、はっきりした口調で告げる。
「私のことはリナでいいわ。私もシーラと呼んでいいかしら?」
「は、はい……」
 エリナの迫力にシーラは完全に負けている。
「リナ。シーラとも仲良くしてもらえると嬉しいわ」
「もちろんです」
 エリナはシーラの手を握ると、ぶんぶんと振って「よろしくお願いします」と挨拶をしていた。シーラは戸惑いながらも、「よろしくお願いします」とはにかんだので、嫌がっているわけではなさそうだ。
「リナ。ちょっと相談なんだけど……」
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