王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「ハーブティーなんて、みんなこんなもんじゃないですか。これ、強力な抗菌作用があって、死体の防腐剤とかにも使われているんですよね。でも、風邪の予防とかむくみにも効果があるんです。私たち女性だと、血流がよくなって冷え対策にも効果はありますね。他にもいろいろ効果はあるんですけど」
「万能のお茶なのね」
 さすが毒や薬の知識に長けているエリナである。シナモンティーのさまざまな効能が彼女の口から出てきた。
「だけど、そうでもないんですよ。いい効果があれば悪い効果だってあるんです。飲み過ぎると身体に負担がかかってしまいますし、体質によっては胃腸障害が出る場合もありますね。とにかく、何ごとも適量に。このお茶は一日二杯までにしたほうがよさそうですね」
 ついエリナの話に耳を傾けてしまったエメリーネだが、シーラも「そうなのですね」と感心していた。
 朝からアルマスの襲撃を受けぐったりしていたエメリーネは、シナモンティーで適度に気分転換できたおかげか、頭がすっきりしてきた。そこから、貴族名鑑を開き、国内の各貴族を頭の中に叩き込む。
 夕方になるとシーラを連れて聖堂へと向かった。この時間は誰にも邪魔されない時間。
 執務室にいれば、アルマスを初めとし、誰がいつやってくるかわからない。扉を叩く音が聞こえたら、机の上に広げている貴族名鑑を慌てて引き出しにしまいこみ、お茶会の計画を立てていました的に王都で流行りの菓子店のカタログを開いておく。
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