王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「それから、わたくしの名前でお茶会を開こうと考えております」
「それは、よいことですね。女性にとってのお茶会は、情報交換の場であり、人と人を繋げる縁の場でもあります」
「縁……ですか?」
「そこには、同士の味方になるような方もいらっしゃるのではないでしょうか? そういった家門を見極めるには絶好の機会です」
 王女主催のお茶会となれば、エメリーネに取り入ろうと考える者も多いだろう。
 だが、はたしてそういった露骨な女性と親しくしていいのかは、エメリーネ自身が彼女たちの人となりを見て決めることだ。
「実は、少し迷っていたのです。お茶会を開くべきか開かぬべきか……」
「迷って悩んで出した答えは、同士にとって納得のいくものとなるでしょう。テレジア神は、この国を、国民たちを第一に考える同士の味方です」
「ありがとう、ございます……」
 テレジア神、いやベルトルトに励まされたエメリーネの心は、ふわりと軽くなった。
 ふと、衝立の向こうの気配が変わった。
「俺は、まわりくどい話は嫌いだ」
< 183 / 226 >

この作品をシェア

pagetop