王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
ぎりりと奥歯を噛みしめたとき、「終わりました」と秘書官が汚れた手巾を畳んだ。
アルマスはふん、と鼻息荒く答えてから、新しいペンを手にして書類にペン先を走らせる。
(とにかく、ベルジュ公爵の監視は強めたほうがいいだろう。またエメリーネ王女の周囲をうろつかれても困るしな)
アルマスは、にたりと不気味に口角をあげる。
近頃のオディロンは、朝議の場に顔を出すものの、あとは軍事施設のほうに入り浸っているのは、何ごとも力業で解決するような男だからだ。
だが、彼がそちらに行っている間は、エメリーネとの接触も避けられるはず。誕生日パーティーの直後は、何かとエメリーネと顔を合わせていたようだが、近頃はおとなしい。
(剣を振るうしか脳のない人間が……)
危うく新しいペンにも力を込めそうになったため、アルマスはいったん、ペンを置いた。
お茶を淹れるようにと、部下に命じようとしたそのとき。
「宰相閣下、エメリーネ王女が、亡き王妃殿下の宝飾類を確認したいと……」
ノックもそこそこにコンストが執務室に飛び込んできた。彼にはエメリーネの補佐官として、王女の資産管理を補佐している。
アルマスはふん、と鼻息荒く答えてから、新しいペンを手にして書類にペン先を走らせる。
(とにかく、ベルジュ公爵の監視は強めたほうがいいだろう。またエメリーネ王女の周囲をうろつかれても困るしな)
アルマスは、にたりと不気味に口角をあげる。
近頃のオディロンは、朝議の場に顔を出すものの、あとは軍事施設のほうに入り浸っているのは、何ごとも力業で解決するような男だからだ。
だが、彼がそちらに行っている間は、エメリーネとの接触も避けられるはず。誕生日パーティーの直後は、何かとエメリーネと顔を合わせていたようだが、近頃はおとなしい。
(剣を振るうしか脳のない人間が……)
危うく新しいペンにも力を込めそうになったため、アルマスはいったん、ペンを置いた。
お茶を淹れるようにと、部下に命じようとしたそのとき。
「宰相閣下、エメリーネ王女が、亡き王妃殿下の宝飾類を確認したいと……」
ノックもそこそこにコンストが執務室に飛び込んできた。彼にはエメリーネの補佐官として、王女の資産管理を補佐している。