王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
名ばかり補佐官ではあるが、それがいるのといないのとでは周囲からの印象も異なるものだ。それに、オディロンが軍事施設に入り浸るようになったのは、彼らをエメリーネの近くにおいてからだから、どうやら名ばかり補佐官はオディロン避けにもなっているらしい。
「南方から珍しいお茶をいただいたの。健康にとってもいいお茶なんですって。一緒にいかが? たまには誰かと美味しいものを分け合いたいときだってあるのよ。お父様は今、体調を崩されているみたいで……」
国王に断られたから、アルマスのところにやってきたのだろう。
彼女が親しくしているのは、ラモン伯爵家のシーラのみ。一時期はそのシーラすら排除しようとしたが、うまくいかなかった。だが、エメリーネの周囲からすべての人間を遠ざけても、不審がられるだけ。昨年は、護衛の騎士を遠くにやったばかりなのだから。
少しずつ、少しずつ、鳥の羽をもぐようにエメリーネから余計な人間を取り除く。そうすれば彼女は、最終的にアルマスを頼ろうとするはずだ。
「エメリーネ様にお気遣いいただき、至極恐悦に存じます」
「まぁ、アルマスったら。大げさね」
くすくすと笑うエメリーネに、ソファに座るよう促す。
「シーラ。こちらのお茶を用意してくれる?」
「南方から珍しいお茶をいただいたの。健康にとってもいいお茶なんですって。一緒にいかが? たまには誰かと美味しいものを分け合いたいときだってあるのよ。お父様は今、体調を崩されているみたいで……」
国王に断られたから、アルマスのところにやってきたのだろう。
彼女が親しくしているのは、ラモン伯爵家のシーラのみ。一時期はそのシーラすら排除しようとしたが、うまくいかなかった。だが、エメリーネの周囲からすべての人間を遠ざけても、不審がられるだけ。昨年は、護衛の騎士を遠くにやったばかりなのだから。
少しずつ、少しずつ、鳥の羽をもぐようにエメリーネから余計な人間を取り除く。そうすれば彼女は、最終的にアルマスを頼ろうとするはずだ。
「エメリーネ様にお気遣いいただき、至極恐悦に存じます」
「まぁ、アルマスったら。大げさね」
くすくすと笑うエメリーネに、ソファに座るよう促す。
「シーラ。こちらのお茶を用意してくれる?」