王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
次の日、エリナに執務室の留守を任せ、シーラを連れて父の居室へと向かう。アルマスの妨害を受けたらどうしようかと身構えていたが、それは杞憂に終わった。
「お父様」
部屋に入るなり、駆け寄るエメリーネを父王はやわらかな眼差しで見つめている。
「エメリーネか。どうした、突然」
「どうしたも、こうしたも。お父様が具合が悪いとおっしゃって、顔を見せてくださらないから、心配になって会いに来たんですよ?」
「そうだったか……?」
軽く首を傾げる様子を見れば、父にはその自覚がないのだろう。
「お父様。今日はお父様にご相談したいことがあるのです。殿方には聞かれたくない話なのですが……」
それで父王も察してくれたのか、人払いをする。しかし「シーラはいいでしょう? お茶の用意をしなければなりませんし」とエメリーネが甘えた声を出せば、父王は「そうだな」と覇気なく答えた。どこか、ぼんやりしているようにも見える。
「今日は美味しいお茶をお持ちしましたの。誕生日に贈り物としていただいたのですが、お父様にも飲んでいただきたいと思いまして」
「お父様」
部屋に入るなり、駆け寄るエメリーネを父王はやわらかな眼差しで見つめている。
「エメリーネか。どうした、突然」
「どうしたも、こうしたも。お父様が具合が悪いとおっしゃって、顔を見せてくださらないから、心配になって会いに来たんですよ?」
「そうだったか……?」
軽く首を傾げる様子を見れば、父にはその自覚がないのだろう。
「お父様。今日はお父様にご相談したいことがあるのです。殿方には聞かれたくない話なのですが……」
それで父王も察してくれたのか、人払いをする。しかし「シーラはいいでしょう? お茶の用意をしなければなりませんし」とエメリーネが甘えた声を出せば、父王は「そうだな」と覇気なく答えた。どこか、ぼんやりしているようにも見える。
「今日は美味しいお茶をお持ちしましたの。誕生日に贈り物としていただいたのですが、お父様にも飲んでいただきたいと思いまして」