王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 明るい声で礼を言いつつ、エメリーネはすぐに声を研ぎ澄ます。
「シーラ」
 アルマスからの贈り物をシーラに受け取るように指示した。
「はい。宰相閣下、こちらの贈り物をちょうだいいたします」
 シーラはそう言って手を伸ばすが、その手はかすかに震えていた。彼女もまた、アルマスには逆らえない人物なのだが、今はエメリーネの命令に従っている。
「なっ……これは、エメリーネ様に」
 その瞬間、アルマスの空気の色が黒から赤に変化する。
「エメリーネ様が私に受け取るよう命じられたのです。中身を確認し、問題がないとわかってからでなければ、エメリーネ様にお渡しすることはできません……それを拒むなら、受け取れません。それがエメリーネ様の命令です」
 シーラが一気に言葉にすると、アルマスは一瞬たじろいだ。
 このやりとりは彼にとっても予想外だったに違いあるまい。
 一度目の人生では、無知なエメリーネが喜んで受け取り、その場でリボンを解いた。アルマスからの贈り物は首飾りで、彼の瞳と同じ苔色の宝石が埋め込まれていたのだ。
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