王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
36.
エメリーネが宝物庫で宝飾類を確認することに、コンストは反対しなかった。ただ、どこか怯えているように見えるのは、彼の盗みが露呈するのを恐れているだけだろう。オディロンがどこまで宝飾類を回収し元に戻したかわからないし、それをコンストに伝えているかどうかもわからない。
「以前、クロック公爵夫人が、珍しい宝石を身につけていたの。お母様も同じような宝石を持っていて……目録のここ」
エメリーネが指で示せば、コンストはそれに心当たりがあるのか「ああ」と大きく頷く。
「これは私も覚えておりますよ。ジオグ国との友好の証にと、王妃様へ贈られたものですが……見当たりませんね」
コンストがここまで堂々と言い放つのであれば、彼はこの宝石は盗んでいないのだろう。
オディロンが言うには、コンストは小さくて目立たないようなものを少しずつ盗んで売りさばいていたらしい。小心者なのか、逆に賢いのかはわからないが、この世に二つとないものでない宝石類を狙ったのは、市場に出たときに露見するのを恐れていたからのようだ。
「エメリーネ様~。まったく見当たりません」
先ほどからわざとらしいくらいに、エリナがごそごそと首飾りを探している。
「つまり、泥棒が入ったのね?」
「以前、クロック公爵夫人が、珍しい宝石を身につけていたの。お母様も同じような宝石を持っていて……目録のここ」
エメリーネが指で示せば、コンストはそれに心当たりがあるのか「ああ」と大きく頷く。
「これは私も覚えておりますよ。ジオグ国との友好の証にと、王妃様へ贈られたものですが……見当たりませんね」
コンストがここまで堂々と言い放つのであれば、彼はこの宝石は盗んでいないのだろう。
オディロンが言うには、コンストは小さくて目立たないようなものを少しずつ盗んで売りさばいていたらしい。小心者なのか、逆に賢いのかはわからないが、この世に二つとないものでない宝石類を狙ったのは、市場に出たときに露見するのを恐れていたからのようだ。
「エメリーネ様~。まったく見当たりません」
先ほどからわざとらしいくらいに、エリナがごそごそと首飾りを探している。
「つまり、泥棒が入ったのね?」