王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 エメリーネの問いかけに、コンストとヨハンはどう答えたらいいのかとバツの悪そうな表情を浮かべる。
「これは大事件ですよ!」
 腰を曲げて捜し物をしていたエリナは、すっと背筋を伸ばし、エメリーネの顔を真っすぐに見つめる。
「だけど泥棒が入ったとしても、彼らは宝飾類を金に換えるでしょう。だから、そういった店を調査するよう、指示を出せばいいのです」
 エリナがエメリーネに力強く訴えれば訴えるほど、コンストは肩を丸め、身体を小さくしていく。
「エメリーネ様。いったい、何をされているのですか?」
 いきなり宝物庫にアルマスが現れ、エリナが小さく舌打ちした姿に、エメリーネは苦笑する。
「お母様の宝飾類を確認していたのです。前にも言ったでしょう? クロック公爵夫人の首飾りが素敵だったのです。お母様も似たようなものをもっていたはずなのに……」
 困ったように頬に手を当て、首を小さく傾げ、アルマスを見上げる。
「だけど、泥棒が入ったみたい」
「それは前代未聞ですな」
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