王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
37.
空が夜を連れてきた。うっすらと紺色に染まる空に、いくつか星が瞬き始める。
今夜はガレッティ国の唯一の王女、エメリーネの婚約者候補を選ぶためのパーティーが開かれる。ようは、エメリーネとの交流パーティーだ。
「エメリーネ様、ティアラはこちらでよろしいでしょうか?」
朝からラモン伯爵夫人とシーラの母娘が、エメリーネのドレスがああだこうだと忙しなく動いている。
ドレスは王族の色とも呼ばれる、赤いものを選んだ。ティアラは装飾が少なく、細やかな銀細工が光るもので、控えめに赤い宝石が埋め込まれている。髪の毛はすっきりと結い上げてもらった。
「エメリーネ様、よくお似合いです。陛下がお待ちです」
伯爵夫人の声に促され、エメリーネも部屋を出た。大広間へと続く回廊には、すでに父王の姿があった。父とこうやってこの場を歩くのは、デビュタントのとき以来。
「うふふ……こうしてお父様とまたご一緒できて、嬉しいです」
「今日は、エメリーネの伴侶としてふさわしい者を選ぶ場だ。ベルジュ公爵以外にも、いい人がいたらこっそり教えなさい」
冗談めいた口調でそう言った父王の顔色は、半年前よりもぐっと明るくなっている。父王の執務室で一緒にシナモンティーを飲んだあの日から、エメリーネは定期的に父と一緒にお茶を飲むようにしていた。
今夜はガレッティ国の唯一の王女、エメリーネの婚約者候補を選ぶためのパーティーが開かれる。ようは、エメリーネとの交流パーティーだ。
「エメリーネ様、ティアラはこちらでよろしいでしょうか?」
朝からラモン伯爵夫人とシーラの母娘が、エメリーネのドレスがああだこうだと忙しなく動いている。
ドレスは王族の色とも呼ばれる、赤いものを選んだ。ティアラは装飾が少なく、細やかな銀細工が光るもので、控えめに赤い宝石が埋め込まれている。髪の毛はすっきりと結い上げてもらった。
「エメリーネ様、よくお似合いです。陛下がお待ちです」
伯爵夫人の声に促され、エメリーネも部屋を出た。大広間へと続く回廊には、すでに父王の姿があった。父とこうやってこの場を歩くのは、デビュタントのとき以来。
「うふふ……こうしてお父様とまたご一緒できて、嬉しいです」
「今日は、エメリーネの伴侶としてふさわしい者を選ぶ場だ。ベルジュ公爵以外にも、いい人がいたらこっそり教えなさい」
冗談めいた口調でそう言った父王の顔色は、半年前よりもぐっと明るくなっている。父王の執務室で一緒にシナモンティーを飲んだあの日から、エメリーネは定期的に父と一緒にお茶を飲むようにしていた。