王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「お父様。一曲、お願いいたします」
楽団が華やかな曲を奏で始め、エメリーネは父をダンスに誘った。デビュタントのときにもこうして国王と踊ったが、今の彼はあのときよりも父はだいぶしっかりしている。顔色もいいし、以前は覇気のなかった目も、生き生きと輝いていた。
「エメリーネ。気に入った者がいれば、遠慮なく言いなさい」
それでは権力でなんとかしようと言っているようにも聞こえ、エメリーネは「まぁ」と小さく笑う。
「わたくしは、お父様とお母様のような出会いをしたいのです」
「そのわりにはベルジュ公爵の名をあげたではないのか?」
「だって、彼ならば……」
言葉尻を濁すエメリーネに「まぁ、よい」と、父は苦笑する。
アルマスが言い出したこととはいえ、このパーティーはエメリーネとオディロンにとっても絶好の機会であり、この場を利用しないわけにはいかないだろう。
国王と踊る王女の様子を、周りの者はさまざまな期待を込めて見つめている。
父王とのダンスが終われば、すぐにオディロンが声をかけてきた。ほんの少しのタイミングの差だが、エメリーネがアルマスを避けた結果でもある。
楽団が華やかな曲を奏で始め、エメリーネは父をダンスに誘った。デビュタントのときにもこうして国王と踊ったが、今の彼はあのときよりも父はだいぶしっかりしている。顔色もいいし、以前は覇気のなかった目も、生き生きと輝いていた。
「エメリーネ。気に入った者がいれば、遠慮なく言いなさい」
それでは権力でなんとかしようと言っているようにも聞こえ、エメリーネは「まぁ」と小さく笑う。
「わたくしは、お父様とお母様のような出会いをしたいのです」
「そのわりにはベルジュ公爵の名をあげたではないのか?」
「だって、彼ならば……」
言葉尻を濁すエメリーネに「まぁ、よい」と、父は苦笑する。
アルマスが言い出したこととはいえ、このパーティーはエメリーネとオディロンにとっても絶好の機会であり、この場を利用しないわけにはいかないだろう。
国王と踊る王女の様子を、周りの者はさまざまな期待を込めて見つめている。
父王とのダンスが終われば、すぐにオディロンが声をかけてきた。ほんの少しのタイミングの差だが、エメリーネがアルマスを避けた結果でもある。