王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「ええ、そうですね。年も近いせいか気が合って……そういえば、オディロンのやつ、エメリーネ王女のことをよく言ってますよ」
 レジスの口調が崩れた。その言葉からもレジスとオディロンの関係が想像できる。
「まぁ、ベルジュ公爵ったら、いったい何をおっしゃっているのかしら……」
「彼は、あなたを心配していましたよ」
 まるですべてを見透かすような笑みに、エメリーネはドキリとする。いったいオディロンは何をどこまで彼に伝えているのだろうか。
 レジスと踊り終えると、侯爵家の嫡男がエメリーネに声をかけてきた。一人と踊り始めると、また一人、また一人と声をかけてくる。
 さすがに何人も続けて踊ったエメリーネは疲れを覚え、やんわりと断りを淹れて、休憩をとる。飲み物を手にしてほっと息をつくと、オディロンがレジスをつれて近づいてきたせいか、他の者は遠目で様子をうかがっていた。
 アルマスは夫人たちに囲まれているようで、エメリーネが一人になったことに気づいていない。
「エメリーネ王女」
 オディロンに声をかけられ、エメリーネは笑顔を向ける。
「紹介した人がいるのですが……とはいえ、先ほど、彼とも踊っていたようですね」
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