王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
38.
黒く染まった空にはいくつもの星が瞬き、ひんやりとする夜風は火照った頬に心地いい。
「実は、今日。オディロンから頼まれましてね。友人の頼みとあれば断れないと、こちらに参加させていただきました」
「本日は、遠いところ足を運んでいただき感謝いたします」
「いいえ……それよりもオディロンから、面白い話を聞いたのです」
オディロンの面白い話とは嫌な予感しかない。もしかしてエメリーネの失敗談を、レジスにまで言いふらしているのだろうか。
「一人の夫人が珍しい首飾りをつけていましたね。どうやらそれがガレッティ国の王妃様が所有していたものと似ているという話です」
「クロック公爵夫人ですね。わたくしもあの宝石を見たとき、母が似たようなものを持っていたのを思い出したのです。それで、母の宝飾類を確認したのですが……」
「なくなっていたのでしょう? オディロンから聞きましたよ」
星明かりの下、レジスがニヤリと楽しそうに笑った。
「エメリーネ王女、なかなか面白い……いや、失礼。大変なことになっていますね。僕もその話を聞いたときは、耳を疑ったものです。あの宝石は光りの加減によって色が異なって見える珍しいものでしてね。ジオグ国で採れる石を使っているのです」
「実は、今日。オディロンから頼まれましてね。友人の頼みとあれば断れないと、こちらに参加させていただきました」
「本日は、遠いところ足を運んでいただき感謝いたします」
「いいえ……それよりもオディロンから、面白い話を聞いたのです」
オディロンの面白い話とは嫌な予感しかない。もしかしてエメリーネの失敗談を、レジスにまで言いふらしているのだろうか。
「一人の夫人が珍しい首飾りをつけていましたね。どうやらそれがガレッティ国の王妃様が所有していたものと似ているという話です」
「クロック公爵夫人ですね。わたくしもあの宝石を見たとき、母が似たようなものを持っていたのを思い出したのです。それで、母の宝飾類を確認したのですが……」
「なくなっていたのでしょう? オディロンから聞きましたよ」
星明かりの下、レジスがニヤリと楽しそうに笑った。
「エメリーネ王女、なかなか面白い……いや、失礼。大変なことになっていますね。僕もその話を聞いたときは、耳を疑ったものです。あの宝石は光りの加減によって色が異なって見える珍しいものでしてね。ジオグ国で採れる石を使っているのです」