王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 さりげなくレジスの名前の由来を知ってしまった。
「安心してください。ガレッティ国のテレジア神は、口のかたいものばかりです」
「なるほど。それなら僕もこちらのテレジア神と話をしてみる価値はありそうですね」
 エメリーネが懇意にしているテレジア神に興味をもったらしい。
「では、テレジア神とのお話が終わりましたら、待合室でお待ちください」
 レジスが告解室の扉を開けて仲に入っていくのを確認してから、エメリーネも手前の扉を開けた。
 静かに椅子に腰を下ろすと、衝立の向こうから人の気配が伝わってきた。
「どうだ? レジス王太子殿下は」
 テレジア神に似合わないような荒々しい口調に、エメリーネもふふっと笑みをこぼす。
「今日は粗野なテレジア神なのですね」
「本物は、レジスの相手をしているよ」
 本物とはベルトルトか、デオバルトか。
「それで? レジスは何か気になることを言っていたか?」
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